休職期間が2ヶ月半延長されました。休職当初は永遠のように感じられた一ヶ月の休みでしたが、正直一ヶ月では何もできませんでした。
散らかり放題だった部屋の中のゴミは多少減りましたが、生活環境を整えるまでには全くたどりつきませんでした。
部屋の片付け以外にできた大きな事としては松山と弘前への旅行を行いました。
「精神的な病気なのだから気分転換することが回復に役立つだろう」そう思っての旅行でした。
しかし、その二つの旅はどちらも今の自分の状態を思い知らされる時間になりました。
松山で知った今の自分

以前、あこがれの夜行列車サンライズ瀬戸で四国まで旅をしたことを書きました。
風邪をこじらせた咳が止まらず夜中中苦しい思いをし、現地では人との会話がまだできないことにショックを受けて帰ってきました。
友人には良くしてもらい嬉しかったのですが、同時に自分の実力の現在地を思い知らされショックを受けた旅行となってしまいました。
そして、その2週間後、今度は青森県の弘前市へと向かいました。
目的はライブに参加するためで非常に楽しみにしていたイベントでした。
しかし、この弘前市への旅行も自分の状態を思い知らされた旅行となってしまったのです。
推し活
実はコロナ禍が始まった2020年頃から推し活にはまってしまいました。
コロナ禍当時、私の勤める会社ではサービス事業の各店舗は強制的に休業させられ、現場部門はほぼ休業状態だったのですが、私の所属する部署はかえって忙しく、土日の休みも返上で忙殺されていました。
それなのに、業績悪化を理由に管理職の給料は二度下がり、気持ちはどんどんすり減っていきました。
そんな納得がいかなかない時期をすごしていたなかYouTubeで偶然見つけたのが、りんご娘でした。
それまで音楽やアイドルといったものに全く興味が無く、テレビでも見たことは無かったのですが、いつの間にか毎日YouTubeでりんご娘の動画を見るようになり、コロナ禍が落ち着きはじめるとライブにも参加するようになっていった自分がいました。
りんご娘とりんごミュージック
りんご娘は地方アイドルとしては日本最長26年の歴史をほこるアイドルです。
私がはまりはじめたコロナ禍当時にメンバーだった王林さんは全国区でもかなり有名になりましたね。

このりんご娘が所属する芸能事務所りんごミュージックに所属するアーティストが全員参加する、1年の集大成であるライブ、POWERLIVEに参戦するのが目的です。
当初りんご娘に興味を持ち、年末のPOWERLIVEにも参加し始めましたが、私の現在の推しは事務所です。つまり事務所に所属する全アーティストを推しています。
といういのも、りんごミュージックは青森県や第一次産業を応援することをコンセプトに各グループが活動しており、自分たちが有名になることを目的にしていません。常に青森県と弘前市を拠点として、そこから地元のエンタメを発信し続けている姿に共感を覚え、丸ごと応援している人が多くいるのです。
実力も高く評価されており、サウンドプロデュースは嵐やAKB48などに楽曲提供している多田慎也さん、振り付けや映像制作にも実力者が集まり、全国レベルのステージを作り上げています。
実際にアイドルコンテストでは全国優勝を勝ち取ったことも何度かあるのですが、それでも変わらず地方を拠点として、自分たちではなく青森県を全国に発信する活動に多くの人が心を動かされています。
私は幼少の頃、父の仕事の関係で東北地方を転々としていました。青森県の津軽地方にも住んだことがあり、その後に転校した地区では津軽弁のなまりを馬鹿にされたものです。恥ずかしくて悔しくて一生懸命になまりを直したことを覚えています。
しかし、りんご娘は東京でのライブでも堂々とした津軽弁でMCを行います。そして堂々と地元のアピールを行います。自分は恥ずかしくて隠したかった故郷、それを若い女性が堂々と発信している姿を目の当たりにして、なんだか全力で応援したくなったのです。
青森県以外の方でも、地方出身で都会で頑張っている人には、心にくる活動や曲が多くあり、そんなところも大好きな理由の一つです。
POWERLIVE
さて、いよいよ楽しみな祭典POWERLIVEが開催されます。
オープニングは恒例の出演アーティスト全員でのダンス、わくわくが止まらず自然と笑みがでていることが自分でもわかります。
・・・おかしい。
なぜだか、あまり楽しくありません。
楽しくないどころか不快です。
隣の人の叫び声がうるさいです。
反対隣の人がぶつかってきます。
後ろの人のペンライトが背中に当たります。
前でジャンプしている人が目障りです。
そんな細かいことが気になって仕方がありません。
ライブではよくあること、いつもなら気にならないことだと思います。
それなのに、なんだか今日はイライラします。
そして、ライスボールというボーカルユニットの曲が始まった瞬間のことでした。
頭の中に、一瞬で休職前、仕事中に毎日感じていた嫌な感覚が一気に流れ込んできました。
仕事中で上司に馬鹿にされ恥ずかしい思い、悔しい思い、反発する思いを感じた。
そんな複雑な感情が身体中に溢れてきます。
頭が混乱して、焦って、恥ずかしくて、居ても立ってもいられなくなりました。
ペンライトを振る手が止まり、笑みは消え、
気付くと、一人だけ椅子に座り込んでしまいました。

フラッシュバック
思い返してみると今歌われている曲は出勤途中によく聞いていた曲でした。
そのせいで嫌な思いと、大好きな曲がつながってしまっていたようです。
大好きな曲を聞くと仕事中の嫌な思い、恥ずかしい思い、怒りの気持ち、どうしようもない不安、いろんな感情が押し寄せてきます。
これをフラッシュバックというのでしょうか。
もう大好きだったりんごミュージックの音楽で、楽しい時間を過ごすことはできない身体になってしまったのかとショックでした。仕事で傷ついた心は、自分が最も楽しみにしていたライブにまで入り込んできて、その日はもうライブを心から楽しむことはできませんでした。
松山では、人と会話が思うようにできない自分を知りました。
弘前では、大好きだったライブさえ楽しめない自分を知りました。
この二つの旅で、自分はまだ適応障害のまっただ中なのだと認めるしかありませんでした。
元に戻れる日は来るのだろうか。
そんな不安を抱えたまま、私は年末を迎えることになるのでした。

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