年末年始につきつけられた課題

適応障害体験記

旅行とドライブがくれた小さな自信

今日は心療内科の診察日です。

先日の旅行で友人とゆっくり会話ができたことは少しだけ自信になっていました。

また休職に入って2週間ほど経ったころに一度だけドライブに出かけており、そのとき調子よく運転できたことも自信につながっていました。

適応障害の症状で車の運転に自信が持てなくなっていた私は、療養に入る前も含めて2ヶ月ほど車には乗っていませんでした。
しかし起きていられる時間が増えてきた頃、思い切って千葉へドライブにでかけたのです。

すると以前とは明らかに感覚が違いました。

前はどんな道を走っているときでも頭の中は常にパンパンで心にまったく余裕がありませんでした。
首都高の中でも難所と言われるいくつかのジャンクションを延々と走り続けているかのような緊張感が続き、とにかく意識して集中力を高めないと安全な運転操作ができない状態だったのです。

それは長時間ドライブが趣味の私が、田舎道をたった1時間走るだけでぐったりしてしまうほどでした。

それがこの日は普通に運転操作ができています。

危ないと思う場面がいくつかありましたが、事故の心配にはほど遠いもので、以前に比べると大分楽に安全に運転ができているように感じました。

医師の表情と年末年始の課題

調子が良くなってきたこと、運転ができるようになったことを笑顔で医師に伝えました。

しかし医師の表情はなぜか冴えません。
それが少し気になりながらも話を続けていると

「休職はあと2週間ですよね?」

突然医師が話始めます。

そして続けて出てきた言葉は、仕事に戻れるかどうか確認をしたいので年末年始にやってみてほしいことがあるとのことでした。

・2時間ドラマを見ること
・本を数冊読むこと

これがやってほしいと出された課題でしたが、
その話を聞いた瞬間、自分の顔が一瞬で曇ったことがわかりました。

・・・全く自信がありません。

本を読むことが怖い

以前にも書きましたが、適応障害の症状がでてから文書を読むことはできなくなっていました。

それでも仕事で文書を読まなければならない時はあり、そのときは正直怖かったです。
読んでもどうせ理解できないことが最初からわかっており、
そして読んでも理解できないのだから仕事も失敗するはずです。

それが怖くて怖くてしかたがありませんでした。

さらに休職前の一番辛かった時期に至っては、テレビのバラエティ番組を見ても意味が分からず何も面白くありませんでした。

つまらない番組だと思ったのではありません。
本当の意味で何をやっているのか番組の内容が理解できなかったのです。

さっきまでは回復の経過を楽しく話していた私ですが、医師の言葉を聞き一気にどん底へたたき込まれた感じがありました。

回復の道筋と課題の意味

医師の説明はこうでした。

お風呂に入ったり、車の運転をしたりなど日常生活のことは2,3週間休むと多くの人ができるようになる。
その点では普通の人と同じような回復具合なので安心して良い。

ただし仕事に戻るには、車の運転とは比べものにならない高度な判断能力が必要になる。

それを測るためにやってみてほしいと。

自宅に戻りながら考えました。

年末年始の課題は達成できるのでしょうか。

テレビの2時間ドラマはなんとなく見られそうな気がします。

しかし本は・・・全く自信がありません。

20年ぶりに手に取った本「巨人たちの星」

何を読もうかと本棚を見ると、20年も前に買ったまま読んでいないSF小説が目に入りました。

「巨人たちの星」ジェームズ・P・ホーガンの小説です。

SF好きの方ならご存知「星を継ぐもの」の続編シリーズにあたる本です。

当時「星を継ぐもの」があまりにも衝撃的で、続編シリーズ全冊を買ったはいいもの、結局手を付けないまま20年が経っていました。

このシリーズは情報量も多く、当時(1980年頃)の科学知識の理解も求められ、翻訳独特の日本語表現もあります。正直今の私には難しいかもしれません。

それでも最近何をやっても楽しみやわくわく感を感じることができない私は「星を継ぐもの」を読んだときの衝撃的な感動を思い出し、再び味わいたいとの思いからこの本を読むことに決めました。

そして年始までの数日間、私はまた寝て過ごす生活に戻っていきました。

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