適応障害に気付くタイミングと対処

適応障害の理解(気づきと学び)

最初の自覚症状

最初の違和感は動悸がすることでした。運動しているわけでも緊張しているわけでもなく普通に机に座ってのんびりしているときによく気付きました。

胸に手を当てると心臓がドクドクと激しく拍動していることがはっきりと感じられます。当時はなぜそうなるのかわからずただただ不思議でした。
この時点で他に自覚症状は特にありません。

しかしこの心臓の鼓動が既に長期間のストレスに対応して、適応障害が進んでいる証拠だったのです。

ストレス反応と適応障害

現代ではストレスというと、嫌な思いをすることや緊張することを思い浮かべる人が多いと思いますが、元々ストレス反応というのは人間が命を守るために進化の過程の中で獲得してきた能力でした。

例えば猛獣に襲われそうな気配を察知したときに、人間の体はストレスホルモンを出し、呼吸を浅くし酸素の取込量を増やし、心臓の鼓動を早めて全身に血液を送り出し、筋肉を緊張させて素早く動ける準備をして備えます。

これがストレス反応の正体です。

日常生活においては命の危険がほぼ無くなった現代においてもこの機能が働いてしまい、仕事上のプレッシャーに対して命の危険への対処方法を取ってしまうのです。

また昔のストレスは猛獣から安全地帯に逃げ込むことができれば終わりなのですが、現代の仕事上のストレスは長期間に渡って朝も昼も続きます。これが過剰なストレス反応が常態化して様々な不具合を起こすことが適応障害です。

私も長期間のストレスに対峙した結果、脳が常時命の危険を感じるまでの反応をするようになり、リラックスしているはずの時間においても動悸が激しくなっていたのでした。

この時点で既に病状としては進んでしまっているのですが、それでもこの時点で気付いて適切な対処が出来ていれば、休職まで至らずに回復できたと思います。

ストレス対処の限界6ヶ月

さてここから約半年で私は限界を迎え病院に駆け込むことになるのですが、私だけではなく一般的に人間の脳が限界のストレスに耐えられる期間は約6ヶ月なのだそうです。

これは科学的にも立証されているとのことで、海外の軍などによる研究では前線やそれに準ずる危険地域への配属期間が6ヶ月を超えると、精神疾患の発症率が優位に上昇することが確認されているそうです。

よって現在、先進国の軍隊では前線や危険地域への配置は6ヶ月交代が基本となっており、伝統的にそれより長期間の配属を行う軍隊においても、6ヶ月で長期休暇が与えられることを基本としての運用になっているようです。

限界を迎えた後

話は戻りまして、病院に駆け込むほどの症状になってしまうともはや自分ではどうしようもできません。

体は常に緊張し、常に耐えきれないほどの不安を感じ、脳はその能力を危険察知と素早い対処のためだけに全振りしており、生命の危機に直接関係の無い複雑な思考は一切できなくなります。

こうなるともはやストレス源から完全に離れて長期間の休養を行い、脳が通常の状態に戻るのを待つしかありません。その過程の中で効率的な回復と生活の質の向上のため薬の力も借りることになります。

結論~気付くタイミングと対処方法

今になって思う私の対処方法は、最初に気付いた身体的な違和感(体が発するSOS)に敏感になり、気付いた時点で早めの対処をすることです。

自分の脳の状態のことは中々わかりませんが、身体的な違和感なら気付くことができます。そして身体的な違和感を感じた時点でかなり長期間ストレスにさらされて病状が進行していると認識しなるべく早く対処を行うことです。

対処方法としては心療内科に行っての相談がやはり一番だと思います。

一週間程度の休暇を取得する、業務量を調整する、環境を調整するなどできる対処の例を教えてもらうことができると思います。

もちろん会社の中で突然休んだり業務量の調整は難しいと思いますが、色々と経験した私の意見としては、休職することになる面倒くささと休職によって自分自身が受ける被害の大きさを考えると、その前に休んだり業務量調整の方が圧倒的に楽でお得です。

とにかく異変に気付いた場合は6ヶ月以内のなるべく早い段階で絶対に対処を行うことです。

もし今身体的な不調を感じている方がいらっしゃったら是非勇気を持って心療内科を訪れてみるなど自分で対処をしてもらいたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました